「もう8年も働いているのに、年収がほとんど上がらない…」
「でも転職はしたくない。できれば今の職場でうまくやっていきたい…」
そんなふうに感じている薬剤師の方へ。
あなたがこのまま何も動かずにいると、これから先も大幅に年収が増えることはほぼありません。
でも逆に、“ちょっとした準備と伝え方”を知るだけで、今の職場でも年収を上げることは可能です。
この記事では、給与が上がらない理由を明らかにしながら、薬剤師が転職せずに収入を上げるための「給与交渉」の方法を徹底解説します。
しかも最後には、「それでも交渉が無理そう…」という方のための次の一手も紹介します。
薬剤師が年収アップできない本当の理由とは？
勤続年数が長くなっても、自動的に給与が増えていく時代は終わりました。今は「実績や価値を明確に伝えた人」が評価される時代です。
つまり、給与が上がらないのは、あなたの価値が伝わっていないだけかもしれません。
昇給や年収アップを実現するためには、ただ真面目に働くのではなく、適切なタイミングで、正しい伝え方で、自分の価値を主張する必要があります。
それが「給与交渉」です。
まず知っておきたい薬剤師の給与が決まる仕組み
給与が決まる仕組み
- 基本給 + 手当（資格・役職・地域） + ボーナス で構成
- 会社の業績や評価制度によって昇給が決まる
- 採用時には転職市場での一般的な価値と比較される
これらの点を理解していれば、交渉の仕方次第で年収を上げることは十分可能です！
まずは給与が決まる仕組みを理解し、適切な戦略を立てましょう。
給与交渉ってワガママじゃないの？
日本では「給与交渉＝空気を読まない」「ワガママ」と思われがちですが、実際には多くの企業がきちんと話を聞いてくれます。
なぜなら、給与は会社からの「評価の表現」だからです。評価が妥当でないと思うなら、その理由を伝えることは当然のことです。
むしろ、何も伝えなければ評価されないのが普通です。
では、薬剤師が年収を上げるためには、具体的にどんな方法があるのでしょうか？
職場によっても給与は違う？職場別給与ランキングはこちらの記事をチェック
今すぐ実践できる！給与交渉の3つの戦略
給与交渉と一口に言っても、方法はいくつかあります。ここでは薬剤師が実際に使える3つのアプローチをご紹介します。
給与交渉で年収を上げるための３つのアプローチ
1. 昇給交渉
- 勤続年数や実績を数字や具体的な成果で伝える
- 特に売上貢献・業務改善の実績を強調
2. 手当の見直し
- 資格・夜勤・責任手当の見直し
- かかりつけ薬剤師・研修講師の経験を活かす
- 現在の待遇が適正かどうかを交渉する。
3. 役職アップ
- 管理薬剤師やエリアマネージャーを目指す
- 部下の指導経験やリーダーシップをアピール
薬剤師が給与交渉を成功させるためのタイミングと準備
交渉を成功させるためには、「いつ」「何をどう伝えるか」がカギです。思いつきで動くのではなく、戦略的に準備して臨みましょう。
- 評価面談の前： 人事評価が決定する前に実績を伝えておくことで、評価に反映されやすくなる。
- 決算期の前後： 会社の業績が良ければ、昇給・手当増額がしやすくなる時期。
- 役職変更・昇進タイミング： 新しい立場に就く前後で交渉すれば、給与テーブルの見直しを求めやすい。
さらに、次のような「事前準備」が成功率を大きく左右します。
🟢 売上・業務改善などの実績を整理する（数字で示す）
🟢 保有資格や新たに取得予定のスキルをリストアップする
🟢 転職市場の相場と比較して、自身の給与が妥当か確認する
こうした準備があれば、感情ではなく「根拠のある交渉」が可能になります。
⚠️注意：給与決定者が誰か必ず確認すること
交渉相手は社長なのか、それとも管理薬剤師、薬局長、薬剤部長なのか。裁量権を持っているのが誰なのか知る必要があります。
場合によっては事務長のような経営専門の役職の方が決定権を持っている可能性があります。決定権のある人に伝わらないと意味がないので、誰に話すべきかというのを事前に確認するということを忘れないでください。
給与交渉の伝え方次第で評価が変わる｜NGとOK例を解説
給与交渉は「話し方」「伝え方」が重要です。どんなに実績があっても、伝え方を間違えると逆効果になることも。
ここでは失敗例と成功例をセットで紹介します。
NG例：「他の職場はもっと給料が高いです」
→ 「では他に行ってください」と言われてしまうのがオチです。
あなたが現環境でもっと高い評価を得る必要があるという点をアピールする必要があります。
比較ではなく、今の職場での貢献を伝えましょう。
OK例：業績を伝え、対価を支払う価値があることを理解してもらう。
「〇〇の売上増に貢献しました。評価をご検討いただけますか？」
「かかりつけ薬剤師の担当患者も増え、在宅も新しく２施設契約に貢献しました。評価をご検討いただけますか？」
のように自分がやったことを伝えて、会社の方に「そうか、それならもっと給与が高くて然るべきだよな」と理解してもらうのが効果的。
NG例：「生活が苦しいので上げてください」
→ 「生活を切り詰めればいいじゃないか」「無駄遣いが多いんじゃないか？」という使途の話をされてしまいます。
そもそも企業として適正な給与が支払われているかと生活に必要なお金が足りているかは関係ありません。
企業側として企業に対し何をしてくれるのかということに対して評価が与えられ、給与が支払われています。
OK例：昇給の可能性がそもそもあるのかを確認する
「今後も貢献していきたいのですが、昇給の可能性はありますか？」
「来期に向けてさらに成果を出していきたいと考えています。給与の見直しについてご相談できますか？」
のようにそもそも自分の会社に昇給の可能性があるかを確認しておくのも大事。励みになるので頑張った分だけ評価される会社なのか教えて！っていう姿勢は間違ってはいません。
「うちは年功序列なんだよね。毎年5%ずつだから。」って言われた場合は無理をしても評価されないということなので、少し仕事量を減らして、相対的に給与を上げるというのも手です。
これで準備OK！給与交渉に自信を持って臨むステップ
ここまで、薬剤師が転職せずに年収を上げるための具体的な方法を紹介してきました。
もう一度、給与交渉成功のために必要なポイントを整理しましょう。
- 給与が上がらないのは「伝えていないから」
- 昇給・手当・役職アップの3方向から交渉できる
- 交渉はワガママではなく「正当な評価の確認」
- タイミングと準備が揃えば、交渉成功の可能性は十分ある
- 感情ではなく、実績と数字で伝えることが大事
ここまで読んだあなたは、もう「どうやればいいのかわからない」状態ではありません。あとは実行に移すだけです。
必要なのは一歩を踏み出す勇気。まずは少し探りを入れてみるところから始めてみてもいいかもしれません。
あなたの頑張りに適正な評価が得られることを期待しています。
年収アップが難しい薬剤師へ｜転職という選択肢も視野に
ここまで読んで「そうは言ってもウチの職場じゃ通用しない」と感じる方もいるかもしれません。
実際、どれだけ準備しても、評価制度が整っていなかったり、上司が聞く耳を持たなかったりすることはあります。
また、私の場合もそうなのですが、給与の話ってやっぱりしにくいんです。理解はしたけども「お金しか見てないのか」みたいに思われるのも嫌ですし。
そんなときは、まず転職市場で自分の価値を知るという選択肢も検討してみてください。
- 今と同じスキルでも、もっと高い評価を受けられる可能性がある
- 評価制度や給与体系が明確な職場に出会える
- 転職しなくても「自分には選択肢がある」という安心感が得られる
「転職＝リスク」ではなく、「今の環境で報われないなら、変える選択肢もある」というだけの話です。
そして、それを確かめるのにおすすめなのが薬剤師専門の転職エージェントです。
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